私が考えるBCLという趣味の持つ楽しみについて解説します。

 ここで記すBCLの楽しみは「私流」であり、一般的なそれとは異なるであろうということを、最初にお断りしておきます。私流BCLの楽しみは、一言で言えば「DX」です。DXとは遠くの局を受信することであり、基本的には海外のラジオ放送がその対象となります。かつてのDXの受信対象は短波放送であり、特にアフリカや南米などのトロピカルバンド局を受信することに大きなロマンを感じていました。
 ところがインターネットの普及と反比例して短波放送は衰退の一途を辿り、国際放送も国内向け放送もその多くが姿を消してしまいました。そうなると一般的なBCLの楽しみを味わうことは難しくなります。
そうした中で私が見出した方向性は「海外中波DX」でした。中波放送は国内向け放送の手段としては未だ主流であり、多くの国で放送が存続しています。主として楽しむ地域は秋~翌春にかけての北米・中南米(TP)、及び通年で狙う南太平洋・フィリピンなどです。しかしこの中波にも変化の波は押し寄せており、中波をやめてFMに、或いはラジオ放送自体をやめてインターネットに移行する国も(ヨーロッパ等)増えてきています。そういう意味では安閑としていられないのですが、さりとて私が心配したところで状況が好転する訳でもないので、ある間は楽しもうと腰を据えて楽しんでいます。
 もう一つ楽しもうとしているジャンルは「海外FMDX」ですが、これはEスポ等電離層の異常発生の伝搬を利用します。機材は揃えたものの、未だこれからといったところです。

私の使用機器

 受信機は全てSDRになります。まずはSDRと言えばMicrotelecomのPERSEUS(左)。長年使用しておりソフトウェアの使い勝手も良いのですが、私との相性は良くなく記録音に「しゃっくり」が発生することが時折あって悩まされます。そこでサブとしてAirspyのHF+ Discoveryを使用しています(中)。低コストながらパフォーマンスは素晴らしく、PERSEUSと遜色ありません。ただ帯域記録が768kHzと狭いため、中波帯を丸録りするために2台同時に使用します。この他にFM-DX用には、同じくAirspyのR-2を使用します(右)。最大記録帯域が10MHzと広いので、2台で90~110MHzを帯域記録します。


 この他に写真のようなレガシー受信機を所有していますが、全く使用しておらず殆どが利用不可と思われ、シャックのオブジェと化しています。これ以外にもレンタル移籍している受信機があります。


 アンテナは中波~短波帯用にはWellbrookのALA-1530(左)を使用します。もう20年以上使用していますが、元気に電波を拾ってくれます。FM-DX用には日本アンテナのAF-4を、V/UHFのアマチュア無線用には第一電波工業のX-200を設置しています(右)。
 ただいずれにしても自宅で受信することは殆どなく、受信は基本的にはDXペディションで行います。

 この他BCL書籍集が色々ありますが、中でも充実しているのは旧日本BCL連盟が発行した雑誌・書籍です。雑誌「短波」、会報「Hz」、また「BCLQAハンドブック」、「DX年鑑1980~1983」の全てが揃っており、ブーム当時の情報はすぐにアプローチすることが出来ます。