周波数1377kHz、出力5kWでオーストラリア、メルボルンから放送されている民放局である。「短波」時代のMW-DXレポートを読み返すといつも信じられない思いがするのだが、その当時オーストラリア民放局はポータブルラジオで、内蔵バーアンテナで受信できていたのである。きっとクリアチャンネルの多かった時代は、伝搬さえ良ければそれが可能になったのであろう。しかしクリアチャンネルがほぼ皆無である現在では、高性能の受信機にループアンテナを使っても非常に困難である。そこで対策としては、「非常に伝搬の良いところで、単一指向性のアンテナを、しかもクリアチャンネルになる可能性の最も高い月曜早朝にワッチする」ということが考え出される訳である。

 そこで行われたのが06年9月の太東崎月曜早朝ペディなのであった。通常は日帰りが前提なのだが、この日は月曜早朝も聞くために日曜の夜に出掛け、宿泊することにした。夕方はTP狙いで、チリの中波局R.Corporacionや、TPでもかなり内陸部のネブラスカ州KRVNといった大物が受信できた。これだけでも台風の中出掛けた苦労は十分過ぎるほど報われた。しかし深夜も、初めて「太東崎でK9AYで聞く月曜早朝」を体験するために頑張って目を覚ましてワッチに励んだ。その結果受信できたのがこの局だったのである。信号も強く混信局を蹴散らし、極めてクリアに受信できた。所期の狙いは完全に達成できたと言える。自分はIDを取れなかったが、783のNew Zealand2YBを取った方もいたし、月曜早朝ワッチとしては(自分としては)過去最高の成果を得たのであった。

 それだけに何としてもQSLはゲットしたくすぐにレポートしたが、残念ながら返信を得ることは出来なかった。しかし諦めきれずフォローアップを送ってみたがやはり返信は来ず、少々諦めモードだった。そんなある日に突然届いただけに、喜びも倍増であった。

 これからも「K9AYを使って外房で聞く月曜早朝」の機会を可能な限り作って、中波DXer受難のこの時代を乗り切って行きたいと思っている。