もちろんベリは1枚1枚がそれぞれ大切な記念なので、どれが一番大事とは言えないのだが、それでも今回のKZOOは最高の宝物と言わざるを得ないだろう。KZOOは日系人向けに日本語で放送を行う、ハワイの民放中波局である。BCLブーム当時を知る人であれば、ラジオたんぱと共同で番組を制作し、特別ベリを発行したことをご記憶の方もおられるであろう。私も覚えていたし、そんな記憶もあって何としても受信したい局の1つであった。周波数は1210kHzで出力はわずか1kW。したがって受信は容易ではなく、今年1月の蓮沼ペディで300mビバレージアンテナを駆使してやっと受信できたのであった。ID確認の瞬間、思わずガッツポーズが出たのは言うもまでも無い。
このように受信出来たこと自体も嬉しかったのだが、しかし今回最大の価値は、郵送で得られなかった返信を、局を訪問してゲットしたころにある。しかも自分で行ったのではなく、バケーションでハワイを訪れた敬愛するS師にお願いして代わりに受け取って頂いたのだ。我ながら厚かましいにもほどがあると思うのだが(笑)、師が出発する直前に電子メールでレポートと受信音を送りつけ、それを印刷し/CD-Rに焼いて持参してもらったのだ。「忙しいからあんまり期待しないで」と言っておきながらちゃんと行ってくれるところが師の律儀なところである。
ところがKZOOは移転していた。私がレポートを郵送したホノルルの中心部から市街地のマーケットプレイスに移ってしまっていたのだ。だから或いは何らかの理由でレポートが届かなかった可能性もある。師はそんなKZOOの移転先を調べて、アラモアナショッピングセンターから出るバスに揺られてKZOOを訪問して下さったのだ。しかしここからが思わぬ展開となるのだが、何と師は突然インタビューされて番組に出演することになったのであった。その時の模様を録音したMDを拝聴すると、工夫次第で日本でKZOOが受信できるということ、そうした行為を趣味として楽しんでいる人々(=我々)がいることなどについて語っておられた。師が出演なさったことは、仲間として私も大変嬉しい。
師は局の建物、そこで働く人々、スタジオなどについて楽しそうに話して下さった。師にとっても今回のKZOO訪問は思いのほか楽しい出来事だったようである。忘れられない想い出になりそうだと仰っていた。「Nakaさんに背中を押されなかったら行ってませんでしたよ」は半分リップサービスだとしても、楽しかったのは間違いないようだ。局訪問はまたやってみたいと仰っておられた。
受信が難しく返信率も高いとは言えなさそうな同局のベリを持っている方は、日本でこの10年で何人いるだろうか。そう考えるとやっぱり宝物だ。恩返しに私が海外に行く時は、可能な限り用件を仰せつかるつもりである。ちなみに新しいアドレスは Radio KZOO 2752, Woodlawn drive #5-204A, Honolulu, Hawaii, 96822 USA だそうである。