1510のTP局と言えば、これまでワシントン州のKGAしか受信したことがなかった。この日も1600の同じワシントンのKVRIが強かったことから、KGAだろうと思ってレポートを書こうとMDレコーダーを回した。ところが正時前にアナウンスされたコールは最初“KFOA”と聞こえた。少なくとも3文字コールでないことだけは確信が持てた。しかし同波にこうしたコールは無く、資料を紐解いて最も近かったのが、アリゾナ州フェニックスのKFNNであった。そして録音を注意深く聞き直して、他の箇所ではかなり明瞭に“KFNN”とアナウンスしているのが確認でき、レポートを送ったところ今回このように返信が得られたのであった。

 しかし偶然とは恐ろしいものである。全く狙っていた訳ではないし、そもそも別の局と思って聞いていて運良く取れたに過ぎない。KGAのレポートを書こうと思わなければ、決して受信できなかったであろう。これまでに受信した中の最大のDX局と言っても良い。しかもペディではなく自宅で受信できたことに、大きな感動を覚える。リグ、アンテナ、ロケとDXの要素は沢山あるが、やはり一番大切なのはコンディションであるということを再認識させられる。