20年ぶりにBCLを復活して、ある日ふと違和感を覚えた。何にそんなに違和感を感じているのか最初は気がつかなかったが、途中でやっと分かった。要は放送バンド全体が静かなのだ。そしてその原因を考えていくと、意外なことに気がついた。「モスクワ放送がいないじゃないか!」と。いかにも。自分がBCLを中断している間に、世界にはいろいろなことが起こっていた。そしてその中の最大の出来事として、東西冷戦体制の崩壊というものがあった。そのことが米ソ2大国を中心とした、大出力短波放送にによる宣伝合戦を終わらせていたのである。ちなみに'76年当時の資料をひもといて現在の「ロシアの声」と、放送時間・及び使用周波数数の比較をすると、その規模はおおよそ1/6程度に縮小している。世の中は確実に変わったのである!

 今となっては「ソ連共産党中央委員会が発表した第○次5ヵ年計画では・・・」のようなくそ面白くもない放送が、懐かしく思い出される今日このごろである。