バチカン放送は我々BCLにとって、ひときわ思い出深い放送局の一つと言えるのではないだろうか。そもそも世界最小の国バチカン市国という国は、BCLでもやっていなければ知らなかったかも知れない。そんな国が日本語放送を行っていたということ自体、今から考えればオドロキである。この局は私が受信した日本語放送としては、非常に遅い部類であった。別に受信が難しい局ではなかったのだが、放送日・時間が限定されていたことがその原因であったのだろう。初めて受信した日の印象的なI.S.は、25年たった今も忘れることが出来ない。そんな同局が、日本語放送を終了したのは昨年の3月末。やはり寂しさを隠せない。またいつかあのI.S.を短波ラジオで聞ける日が来ないものかと、あり得ないであろう夢を心に描くのは私だけではない筈だ。