ご存知「幻の日本語放送」と言われた局である。この局を幻としていたのは、この局が出ていた周波数9690KHzに原因があった。この周波数は台湾から大陸向けに向けられていた放送でも使われていたが、これに対するジャミングが常時かかっていたとばっちりを食っていたのである。ならば周波数を変更すれば良いであろうものを、同局はQSYすることなく同波を使い続けた。根気のない私は「JJYを聞いてわざと電波状態の悪い日を狙ってワッチする」などという芸当が出来ず(近隣諸国の電波がスキップするので聞こえる可能性が高まると言われた)、私はこの幻を捕らえることが出来ぬままBCL自体をやめてしまったのである。惜しいことに私がBCLをやめた'80年の後半には、現在の周波数である11710KHzにQSYして、同局は幻でなくなっていたのである(この事実は昨年BCLを復活した後に、「短波」誌のバックナンバーを入手して初めて知った)。そんなわけでRAEは私の青春の不完全燃焼の想い出として心の中に残った。
それだけに復活してまず一番最初に思ったのは「RAEはどうなった?」ということであった。今では11710で出ているということ、そしてどうやら幻ではなくなったらしいことをネットで知り、同局を受信できるチャンスを待った。(平日の19:00~21:00にしか放送してないというのも困ったものである。国際放送のリスナーとして最も多いであろうビジネスマンでこの時間に聞ける人は一体何割くらいいるであろうか?大半の人は19:00に家に帰り着けないのではないだろうか?私が結局同局を初受信したのも正月休みのときであった。)
さすがに初受信の時には興奮したし、やっと20年前の青春の不完全燃焼は今燃え尽きることができたというある種の感慨があった(というより「亡霊はやっと成仏できた」といった方が適切な表現かも!(^^;)