この1年間は、通算25年弱に及ぶ自身のBCL歴の中で最高の年ではなかったかと思う。昨年のこの場でやりたいと思ったことの、殆ど全てを実行することが出来たからである。
まずは活動のGlobal化については、計画通りIRCA(International Radio Club of America)のコンベンションに参加した。アクティブなMW-DXerが多いシアトルでの開催であり、千載一遇のチャンスとばかりに参加した。しかも幸運なことに、既に知人となっていたNick Hall-Patch氏のご厚意により、コンベンションに続くGrayland DXPeditionにも参加させて頂くことが出来たのは、最高の幸せであった。Graylandは海外DXサイトでもそのペディション記事が多数掲載されているが、私にとっての永年の憧れの土地であったからである。オンライン英会話にも身が入り一生懸命勉強をして臨んだが、それでもコンベンションでのプレゼンを十分理解し、流暢に会話をするにはとても至らなかった。語学力もさることながら、技術的な知識も中途半端であり、プレゼンについて内容を理解し的確な質問をすることも出来なかった。という訳で何とも歯痒い思いをしたのだが、とにかく色々な人と知り合えたことや一緒にDX出来たことにはとても楽しかったし、チャレンジしたことには満足している。悔しさをバネに、更に語学力と技術知識の幅を広げていきたいと思う。 英文記事についても今年は宮さんに監修頂き投稿することが出来た。これもまた一歩前進である。オフラインではOregonのDXer Chris氏の来日に伴って、私もそのプチオフ会に参加させて頂くことになったが、ここはシアトルへの試金石となり、とりあえず会話は成立して何とかなるであろうという感触を得られたのは大きかった。
柱の一つであったDXペディションは、まずは上述の通りGraylandはとりあえず大成功であった。そしてもう一つは昨年に引き続く北山崎遠征ペディ。今年は昨年と異なり宿から発生する人工ノイズを回避するため、宿のご主人や村役場の協力も得て、宿から少し離れたビジターセンターのレンタカー車内で行った。アンテナも普段使用する底辺20mのアンテナを倍の40mに変更したのが功を奏し、昨年を上回って初受信局が36局を超える大きな成果を上げることが出来たが、残念ながら最大の狙いであった北米東海岸局の受信は叶わなかった。
ペディはこれ以外にも1月及び2月の茅ヶ崎宿泊ペディ、3月及び9月の太東埼ペディ、更には初夏の茅ヶ崎チョイペなど様々な形で取り組んだが、画期的だったのはそのチョイペの1回に若手を招いて一緒に開催したこと。お互いに刺激を与え合って、新たな形が生まれるかもしれない。
受信機材についてはこれまで所有していた通信型受信機が劣化してしまい受信出来なくなったので、改めて欲しいとここに書いていたら、偶然にも近隣のOMさんよりICOMのIC-R71及びTRIO R-600を禅譲頂くことになった。これは何とも驚きの偶然だ。もう一つは新たなSDRの導入。これは件のGraylandペディで受けた刺激の一つであるが、Airspy HF+ Discoveryの受信性能及びコストパフォーマンスの高さに感銘し、速攻で購入することになった。但し記録帯域幅が768kHzと中波全帯域をカバーしないため、2台購入した。未だ本格活用するに至っていないが、PERSEUSのサブマシンとして大いに期待している。
受信機材ではないが、同じくGraylandで受けた影響として、前出のNick Hall-Patch氏によるソフトウェアDXFishbarrelは特筆事項である。これは中波全帯域での全チャンネルの入感状況がビジュアルに確認できる優れものである。一目でターゲットが分かり、そこにフォーカスするとDX局が受信出来る可能性が高まる。これについては作者のNickさんの協力も得て色々勉強したが、既に開発から10年以上の歳月が経過していることもあり、使用する器具が色々と古い。例えばWindowsXPのPCであり、SDR-14という古のSDRである。幸いにも機材は入手出来てセットアップも概ね完了し、何とか使える目途は立った。実戦使用までもう少しだ。
人との出会いも色々あった。長瀬博之OMにはOM探訪インタビューにご登壇頂いたご縁で親しくさせて頂くことになった。OMが九州での衛星TV受信ペディを希望され私が九州のDXerとの仲介をして実現して、OMにも九州の皆さんにも大変喜んで頂けた。そんなこともあり気安く話しかけて頂けるようになり、年末の忘年会にもご参加頂くことになった。
さてそれでは2020年はどんなことをしたいだろうか。
まずは一発目にやりたいのは、日本でのコンベンションである。昨年のIRCAコンベンションに感化され、こちらでもそのコンセプトでお祭りをやってみたいと思った。幸いにもお仲間の賛同を得ることが出来たので、とりあえずプレコンベンションのような位置づけてやってみたいと思っている。
BCL活動のGlobal化については、今年もIRCA Conventionに参加したいと思っている。ただ昨年と異なり家庭の事情で制約があり、こちらは未だ確定出来ない。もう一つは旧知の米国人DXerが春に来日するとの情報があり、こちらは是非歓迎会を開いてもてなしたいと思っている。
DX的には今年こそ北米東海岸局を受信したい。そのためにも、今年も東北には行くことになろう。出来れば2回以上のチャンスを持ちたいところである。この他のチョイペも、例年通り沢山やるつもりである。
受信機材的には昨年導入したDiscoveryを大いに活用したい。併せてDXFishbarrelもいよいよ本格使用をしてみたい。
(Jan.1,2020)