早いものでBCLを復活してから23年の歳月が経過した。直近3年間は新型コロナの蔓延で行動は制限を余儀なくされ、一番の楽しみであるリアルな行事が思うに任せなかったのは残念なことであった。コロナは完全に終息した訳ではないが5月に5類相当に位置づけられたことで、3年ぶりに行動の枷が除かれたことは喜ばしいことであった。そのお陰で、やりたかった色々な活動を再開させることが出来た。
 今年の最大の想い出は、何と言っても4年ぶりのGraylandペディへの参加、及びそれにくっつけてのバンクーバー旅行である。海外への渡航制限が解かれたので、すぐに行動に移した。いくつかの選択肢はあったが、幸いにも旧知のNick Hall-Patch氏にGraylandペディを企画して頂いて、そこに加わることが出来た。そこでNick氏、Guy Atkins氏、Tom Rothlisberger氏といったレジェンドと一緒にペディが出来たことは、とても幸せなことであった。今回Nick氏にはバンクーバーでの観光、そして陸路Graylandまでのドライブと何から何までお世話になり、短期間に充実した時間が過ごせたことに大変感謝している。またGuy氏からは以前から入手したいと思っていた名著Proceedingsのデータ版を図らずもその場で頂戴して、それをTDXCのサイトで公開し共有させて頂けることになった(※ちなみにProceedingsは後日AOMより書籍版を頂戴するという僥倖に恵まれた)。
 今年で6回目を迎える岩手北山崎ペディも、行動制限が緩和されたことで盛り上がったイベントである。過去最多の9名が参加して、大変賑やかな充実したイベントになった。前夜祭は地元佐々木氏のガイドで、駅前のチェーン系居酒屋ではなく、盛岡の盛り場の名店で開催することが出来た。受信会場も場所を移し自然大学校を借りられたことで、より良い受信環境で聞けたことは有難いことであった。また盛岡への帰路には同じく佐々木氏の案内で、伝説の宮古国民休暇村及びそこに隣接するオートキャンプ場も見学出来た。
 ペディと言えば秋の太東埼も各自のクルマで参加という変則開催もやっと終わり、乗り合わせで、しかしクルマ間では無線で話しながらというスタイルで、沢山話せたのは楽しかった。
 この他のリアル行事では、OM探訪で長谷川清一氏にお話を伺うことが出来た。「中波の神様」と4時間もサシで飲みながらお話を聞かせて頂けるのは、昔のBCL少年からすると夢のような話である。
 飲み会も昨年は10周年記念飲み会のみリアルで開催でそれ以外はオンラインだったのを、今年は決起集会、PROPAGATION祝賀会、そして忘年会といずれもリアルで開催。やっぱりこれでなきゃと心底思ったのが正直なところである。ただ遠方のお仲間とは今年もオンライン飲み会もでご一緒頂くことが出来たし、引き続き有用な手段であると思う。Conventionも直近2年間はリアル参加私一人だったが、今年はやっと4人まで復活した。
 私自身もいい歳になってきたが、先輩方は更に年長な訳である。そんな訳で今年はご近所でお世話になった飯塚OMのご逝去があったり、秋葉原でパーツ調達でお邪魔したシオヤ無線のオヤジさんが引退し閉店したりして、そんな寂しい出来事もあった。こうしたことは、これからは残念ながら毎年発生することになろう。
 その他の動きではペディ用のパソコンをPanasonicのLet's noteに変更したこと、また今年はシエスタ師匠の記事に触発されて、新型K9AYの製作にチャレンジしたりもした。機材をアップグレードすることは楽しいことである。

 さて、来年はどんな一年にしようか?来年も色々と受信旅行に行きたい。海外では候補地を色々考えていたが、ここにきてフィリピンが急浮上してきた。これはお仲間のお陰でここでペディが出来る見通しが立ったこと、そして私自身がここ数年オンライン英会話でフィリピンのチューターにお世話になっており、以前から行きたいと思っていたことによるものである。これから調整に入るが、何とか実現したいものである。国内での遠征ペディは来年も7回目の北山崎に行くだろう。それに加え地元の佐々木氏とご一緒に、宮古のオートキャンプ場ペディも是非に実現しようと思う。勿論初夏のチョイぺや外房ペディは例年通りで、まだ中波のコンディションは厳しいと思うが回数でカバーしたいと思う。
 来年も活動の中心はお仲間との交流である。人と会って話すことで、次々やりたいことが思い浮かびモチベーションが上がる。来年も年明け早々5回目となるTDXC Conventionを予定しているし、PROPAGATIONを始めとするTDXCのお仲間を中心としたリアルなそしてバーチャルな活動を行うであろう。勿論TDXC以外の方ともご一緒して、この趣味の新たな楽しみを発掘したい。
 ここ数年課題にしているグローバルな活動も続けて行こう。まずは昨年頂いてまだ読み掛けのProceedingsやIRCAの会誌”DX Monitor”をより深く読むところから始めたい。海外のお仲間とも出来れば今年も行くか来て貰うかしてリアルに交流したいところだが、それが無理ならそれこそオンラインでも良いではないか。せっかく出来てきた人的関係を絶やさないよう、そして新たなネットワークが出来るよう自ら仕掛けて行くつもりで、実はいくつかチャレンジングなことを考えていたりする。
 その他取り組みたい活動としては、来年こそはR2を使用したEスポ受信の実行、今年も楽しんだ工作、また未だに途上であるこのHPの修復作業(未完成ページばかりだ)などもやっていきたい。
 BCLを肴に昔話も結構、また飲み会サークルも全然OKだと思うが、私自身は活動の中心はやはりDXに置きたい。そして過去の話ではなく今を、そして未来志向であり続けたいと思っている。

(Dec. 29, 2023)