ぺディションについては、これまでぺディションレポートや日記でも語ってきたが、改めてその魅力を語ってみたい。ぺディションは余りにも楽しく、自分にとっては至福の時である。
まずDX的な面で言えばノイズの少ないロケーションで、100mを超えるアンテナを張ることができる。当然その結果は素晴らしいものとなり、反動で家で頑張って聞いているのが虚しくなるほどである。
次に受信時間の制約の無さ。自宅だと家族がいるし、ずっとラジオ漬けという訳にはいかない(時々やるが・・・)。しかしぺディションではいくら聞いても誰も文句を言う人は無く、夜遅くまで起きていて、或いは朝早く起きて思う存分聞きまくれる。
もちろんペディションはラジオを聞くことが第一目的であるが、仲間同士のコミュニケーションも、もう一つの大きな目的である。普段我々BCLはBCLについて語る相手がいない。自分の奥さんに熱く語ったところで、冷たい視線が返ってくるだけである(笑)。まあもっともこれだけネット社会になると、BBSとかメールとかチャットとかオンラインでのコミュニケーションは日常的に行っているが・・・。しかし我々(少なくとも私)はオンラインのコミュニケーションだけではやはり満足できない。断片的な会話ではなく、Face to faceで徹底的に語りたかったりもするのだ。もちろんオフ会で飲みに行くのもいいのだが、一旦話し出すともう止まらない。飲み屋で語る時間では十分ではないのである。いつも後ろ髪を引かれながら帰途に着く・・・そうではなくて、夜を徹して語りたいのである。ペディションはそんな欲望を満たしてくれる。
そんなペディションに少年時代から憧れたが、ついぞできぬままに第一次BCL期を終えてしまった。その昔、旧B連の「Hz」や「短波」にはよくペディションのレポートが掲載されていたが、それは読むだけで楽しくそして羨ましく、何度も読み返したものである。自分もやってみたかったのだが、周囲に一緒にやれる友達もなく、さりとて単独で実行する気概もなく、夢のままに終わってしまったのである。
それだけに復活後やっとできるようになったのは、何とも幸せなことであった。そして可能な限りそうした機会を数多く設けたいので、私は自分で必要な道具を揃えた。いろいろと工作をしてアンテナや分配器、プリアンプなどを作ったのも、実は他人に依存せずに自分の好きな時にいつでも行けるようにしたかったからであった。
またペディションに行くのに余り遠かったりお金がかかったりしては、しょっちゅう行くことができない。そこで気軽に行ける場所を探して、家から車で40分ほどの茅ヶ崎の県営キャンプ場をメインの場所に選定した。中学時代に密かに「ここでやってみたい」と思った場所が、実はここだったのである。無料で使えるキャビンと200mクラスのアンテナが張れるという点で、ベストではないものの自分的にはまずまず満足している。
茅ヶ崎は決して田舎ではないので、もの凄くロケーションが良いとは言えないと思う。本格的にド珍局を狙うのであれば、やはり外房や東北などに行くべきであろう。しかしそれでも住宅地に比べれば、ロケーションはかなり良い。海の目の前という要素も大きい。こうした場所をもう少し増やしたいのだが、残念ながらそうした場所は余り多くない。モービルワッチならどこでもできるのだが、できることならば酒も飲みたいしゆっくり眠りたいものである。そうすると今度はテントを買って、バッテリーを電源としてラジオを聞く・・・そんなことにもなっていくかも知れない。ペディションの魅力、まさに奥の深い底なし沼といった感じである。
(Mar.2,2003)