7/14~17に家族とグアム旅行に出掛けた。出発日は大型で強い勢力の台風4号が接近しており、かなりの風雨が吹き荒れていた。しかし道路が渋滞して、成田着は出発の2時間前を大きく割り込んでいた。視界が悪い中恐々車を飛ばし、チェックインしたのは30分前のことであった。ああ、おっかない。もうこんなギリギリに行くのはやめよう。慌てている係員に誘導されて搭乗ゲートに向かい飛行機に乗り込み、一路グアムに飛ぶ。3時間半で着いてくれるのは嬉しい。そして空港から5分という近さが有難い。飛行機を降り入国審査に向かう道中も、もう待ちきれずラジオのスイッチを入れてしまう(笑)。KGUMが聞こえ、ちゃんと着いたんだなあと実感する。

 無事21時前にホテル入りして、早速受信機をセットする。今回は受信機はなんと、AR-7030 PLUSを持参した。家族旅行に7030を持って行くか!?という批判は甘んじて受けたいと思うが、これには深い訳がある。実は今回の旅行の話を敬愛するS師に話した際に、この際だからと「例のポータブルフェライトバー中波用ループアンテナを作って下さい!」という極めて図々しいリクエストを出したのであった。お忙しい師も追い込まれなければ生涯作らないのではないかと危惧したのであろう。私の出発に間に合うよう、見事完成させて下さったのであった。それに対応するリグとしては、それなりのリグで使わなければ失礼である。ということで7030を持って行くことにした訳だ。FM用には愛好者3号も持つし、両方に録音装置をつけたいので、ICレコーダーも2台だ。師からはバックアップのアンテナも持っていくようにとの指示だったので中波用微小ループアンテナも入れ、更にゲイン不足に備えてプリアンプまで持参した。各々のACアダプタまで持つのだから大変な量だ。お前何しに来た!と責められても仕方がないだろう。しかし残念ながら中小はメンテナンスが悪いせいか動作せず、バックアップにならなかった(涙)。

《地元ローカル局》

 さてそうして聞いた局だが、まずは地元ローカル局から見てみよう。AMでは日本でもおなじみの3局だけが聞こえる。WRTH2007にはその他675/KTAB、1530/KVOGの2局がリストされているが、全く聞こえないので出ていないようだ。FM局は同じくリストされている15局中13局が聞こえた。聞こえない局はやはり出ていないのだろう。いかにも南国っぽい局あり、Pops中心の局あり、宗教局ありでバラエティに富んでいる。しかし日本の淡路島ほどの面積しかない国にこれだけの局がひしめいているのだから、相当の強電界ということになるのであろう。録音は下表の通りである。

グアムAM・FMローカル局ID集(日付は現地時間)

FrequencyCallLocationComment
567kHzKGUMGuam07/07/14 
630KUAMGuam07/07/14 今回の訪問局。7/1に612よりQSY
801KTWGGuam07/07/15 KTWRの中波版
88.1MHzKHMGGuam07/07/16 宗教局
89.3KPRGGuam07/07/16 "Public Radio for Guam, KPRG"
90.9KOLGGuam07/07/16 ID出ず録音なし。
91.9KSDAGuam07/07/15 宗教局
93.9KUAM-FMGuam07/07/15 "I-94"
95.5KSTOGuam07/07/15 "95.5 K-Stereo"
97.5KZGZGuam07/07/15 "Power 98"
100.3KOKUGuam07/07/15 "Hit Radio100"
101.9KTKB-FMGuam07/07/15 "KTKB 101 point 9"
102.9KISHGuam07/07/16 "You are listening to Kish, KISH 102.9 FM"
104.3KIJIGuam07/07/16 "KIJI FM10-4" 日本語局というが英語の部分も多く、日本で言うところのInterFM的な感じ。録音後半に日本語CM。
105.1KGUM-FMGuam07/07/16 "The Rock 105.1"
106.9KGCA-LPGuamID出ず録音なし。

《中波DX局》

 これはかなりの局が聞こえた。なにせローカル局は567/KGUMと630/KUAM、そして801/KTWGの3局しかないのだ。それ以外はクリアチャンネルなのだ。したがって日本の主要局は殆ど聞こえた。1494でMicronesiaを狙っていて受信した日本語局は山陽放送でこれは愛好者3号での受信だったが、ポータブルの内蔵アンテナで10kW局もらくらく聞こえるということになる。台風情報を聞いていたが、NHKで一番聞きやすかったのは729の名古屋だった。

 T師から頂いた課題は1.Saipanの1080/KCNMは出ているのかいないのか確認すること、2.1449/Micronesiaの状況を確認してくることの2点だ。結論から言うと1は出ていないようだ。何も聞こえない。かつては良好に聞こえたものだが、休止してしまったようだ。2は現地語の放送が受信できた。IDは出ているのかも知れないが、どうも聞き取れない。同じく1593のMicronesiaは聞こえなかった。

FrequencyCallLocationComment
1494V6AIYap,FSM07/07/15 21時正時の録音。何と言っているのだろう(笑)。

 私が上記以外に課題にしたのは1584/Palauだった。しかしここも入感が確認できなかったので出ていないのではないだろうか。この他PNGやマーシャル諸島などもじっくり狙えば受信できたのかも知れない。しかし家族と一緒だったし、そこまで徹底してDXはしなかった。次回また行けるチャンスがあったら、もうちょっと準備をして臨みたい(実は地図もなく、周囲にどんな国があるのか全く分かっていなかった。インターネット環境のない部屋だったので調べることも出来ず、それがいろいろな面で災いしてしまった)。

《KUAM訪問》

 さて受信以外のメインイベントはKUAM訪問だ。ハワイのKKEAと同じく、レポートを持参しての突撃訪問である。相変わらず準備が悪く、住所は分かっていたが場所は地図で調べていない。タクシーの運ちゃんに住所を伝えて連れて行ってもらおうという寸法だ。家族はマイクロネシアモールで買い物させておいて、その隙にタクシーを捉まえて飛ばす。乗ったら5,6分でその住所に着いた。少し歩くと間もなく局を発見。昔日本BCL連盟で「グアムBCL教室」という企画があり、小中学生がグアムまでツアーに行ってKUAMを訪問するという記事があったが、その写真とはかなり違っていた。もう場所も移転しているのだろう。やっぱり局自体は小さいのだ。そこで早速受付嬢に訪問の趣旨を告げる。「Chief EngineerはRichardなんとかだが今日はいない」。これは残念!直接渡して交渉できないと効果半減だ。しかし元々アポなし突撃訪問なのだから仕方ない。明日渡して欲しいと預かってもらう。そして記念に写真を撮らせてもらった。

 上述の通りDX的にはもっと頑張れた気がするし、以前QSLに好意的なメッセージを書いてくれたKGUMにも行ってみたかった。家族サービスと両立させるためにも、やっぱり周到な準備と時間配分が必要なようだ。でも来年もどこか行こうと心に決めているし、それが日頃の仕事の励みにもなってくれるのである。

 

(Jul.22,2007)