今年も振り返ると沢山のドラマがあった。年末最終日の今日振り返って総括すると共に、それらを踏まえて来年どう行動するかについて展望してみたい。
年頭に挙げた課題の第一番目のDXペディションだが、今年もバラエティに富んだ形で9回参加することが出来た。遠征ペディでは何と言っても霧多布である。ここの存在を板さんから初めて聞いたのは14年末の忘年会の時だったが、それから2年半の時が経過して、やっと訪問が実現した。大規模なフレアが発生した直後だっただけに影響が懸念され、実際聞こえるのはカリフォルニアとハワイばかりという特異なコンディションとなった。その分普段居座る常連局に阻まれているチャンネルもこの日聞こえたのはカリフォルニアとなり、それ故に初受信局も何局か誕生し結果的には面白いものとなった。
もうひとつの遠征ペディは後述するカナダ人DXer Nick Hall-Patch氏を迎えての新潟ペディであった。生憎の台風の襲来でアンテナマストが折れるアクシデントに見舞われたり、コンディション的にも精彩を欠いたペディではあったが、海外の友と共に一晩を掛けて電波を追う体験は、一生忘れられない想い出深いものとなった。
ホームグラウンドの茅ヶ崎でも柳島キャンプ場や民宿「アサヒ荘」に泊まって楽しんだ。前者は夜は近隣の磯料理店に繰り出して食事を楽しんだだけでなく、コンディションも良く面白いペディであった。後者は夕方聞いただけで夜は飲んで話していただけだったが、それはそれで楽しい時間だった。この他太東崎にも数回行ったが、3月の太東崎はコンディションも良く、UltralightDXで中波のR.Rebeldeを受信したのは楽しかった。
課題の2つ目は海外DXerとの交流であったが、昨年対面を果たしたNick氏が今年語学留学のため来日し2ヶ月間滞在したため、何度も交流する幸運を得た。9月末の来日直後に実施した歓迎会、語学学校オフの期間に実施した上記10月末の新潟遠征ペディ、そして11月末の帰国直前に行った送別会と、節目節目にご一緒させて頂くことが出来た。氏の温厚で紳士的な人柄と高い向上心、また単に珍局を追うのではなく電波伝搬について研究し考察する姿勢に深い感銘を受けた。こういう機会に備えて英語は勉強していたのだが、思ったほど自分の考えたことを言葉にすることが出来ず、少し落ち込んだ。しかし寿命は確実に延びつつあるのだから、諦めずに勉強を続けよう。またこうした機会に恵まれるに違いないのだから。
Nickさん以外にも北欧のDXerからも複数名「この音声のIDを聞き取ってくれ」とか「PC用のガルバニックアイソレーターで日本でしか売っていないものがある。代わりに買って送ってくれないか」などの依頼がきたりして、これらにも対応していた。もっと交流の輪は広がりそうだ。
TDXCの会誌「PROPAGATION」は今年がEdition5だった。遊びとは言え一区切りである5年間続けて来れたことは非常に嬉しいことであった。編集の労を取ってくれるShinさんに感謝するばかりであるが、この遊びに情熱が尽きない限りは、年1回という最適なペースで続けて行きたいものである。
この他折に触れての仲間達と開催する飲み会は、単にその場を楽しむだけでなく、互いをインスパイアし合う絶好の機会として機能したように思う。実は霧多布行きもこの何気ない飲み会の中で決定し、その2ヵ月後には実行に移したのだから、こうした会は頻繁に行うのが良いであろう。
受信レポートは数通出したが、残念なことにただの一通も返信が来なかった。送っている局が局(北米中波及び香港のMetro Plus)だが、それにしてももはや局員はそういう習慣を知らないのではないかとさえ思う。
さてそうしたことを踏まえて、来年はどんなことをしようか?
ペディは来年も活発に実施しよう。実際1月2月は既に宿泊で予約している。また来年も遠征したいものだ。勿論バイクチョイペも沢山実施するつもりだ。
海外DXerとの交流は来年も引き続き活発に行いたい。と言うか国内においては概ね同好の士を掘り尽くした感があり、同じ嗜好の新たな仲間は国境を越えて求めるしかないだろうと思っている。次の一歩として、次号のPROPAGATIONは少しGlobal な要素を取り込んで行きたいと思う。具体的には英文の記事の投稿だ。同調して下さっている仲間もおられるので、少しずつ取り組んで行きたい。
今年は新規に機材を導入することは無かったが、来年は導入するかもしれない。ELADのFDM-S3はFM帯域を24MHz丸録り出来る機種であり、EスポDXに革命をもたらすであろう。そもそも今現在海外FM-DXが健在なのかどうか情報を掴んでいないが、状況を確かめつつ検討したい。またBCLではないがCBのSR-01も導入を迷う機種である。
CBと言えばなかなかブレイクし切れないところではあるので、来年は先輩方に小判鮫のようにくっ付いて移動運用に同行させて頂こう。きっかけが掴めそうな気がしている。
この他BCL遠足、アンテナや周辺機器の電子工作、OM探訪インタビューで大先輩から話を伺うこと、互いに刺激を与え合う飲み会など、思いつくことは沢山ある。まだまだ元気一杯であるからこそ、興味を感じることには躊躇無く取り組んで行きたいと思っている。
(Dec.31,2017)