BCL/DXに録音機器は付き物である。昔はその手段としてはテープレコーダー以外には選択肢がなく、必然的にそれを用いてきた。しかしながらカセットテープには下記のようなさまざまな欠点がある。
・ CDのようにランダムアクセスすることができない
・ 編集するにはダビングという方法をとるが、この際に音質の劣化が発生する
・ カセットテープは伸びたり切れたりといった経年劣化が発生する(実際に昔の受信テープはMDへのダビング作業の際切れた。ディスカウントストアのオリジナルだったせいか・・・)
BCLを再開するに当たり、録音機器としては最初からデジタル媒体を使用する事に決めていた。そして当初はCD-Rを検討していた。音質の劣化が全く無い(MDは若干間引く)からである。しかしながら少し考えてこの考えは非現実的であることに気付いた。一旦録音したカセットテープを丸ごとダビングするのであればいざ知らず、受信の都度録音したり消したりするのには全く使えない。
そんな時Grove社のMonitoring TimesにDX Lifesaver というタイトルで受信音録音機器としてのMDの活用事例が紹介されていたのを見た。それによれば録音したものの編集の自由度が非常に高い(簡単に消去できてしかも消去した部分に隙間ができない、録音したものの分離・結合ができる、録音したものの順序が変えられるなど)カセットテープの時代から見ればまさに画期的な製品であることに気付いた。
そこでMDの導入を決断したが、問題となったのは機器の価格である。カセットやCDは低価格化が進んで簡単に買えるようになったが、MDは未だ4万円近くする高級品である。年末から年始にかけてBCLに急速に投資した身としては、更にそんな投資はできない。どうしよう・・・そんな悩みを解消したのは近所のリサイクルショップであった。確かに新品で最新型のMDはまだ高価なのだが、発売して数年経った機種はデザイン的には今一だが性能的には別段問題なく、しかも価格はかなり手頃になっていた。それこそ1万円前後から売られていたが、その中でまあまあ程度の良さそうなものを14,500円で購入した。
さて買ってきて早速使ってその録音を何回か聞いてみると、妙なことに気付いた。どの受信音にも「シャーッ、シャーッ」と周期的なノイズが入っているのである。そしてそのノイズは明らかにMDでの録音開始と同時に始まっていた。「何だこれは。不良品か!」。がっかりしたがその旨をリサイクルショップの店主に伝えたところ、同じ機種でもう少し程度のよい物(23,000円で売られていた。適当な価格設定である)に替えてくれた。
そして今一度帰ってから録音に使用してみたが・・・あー、やはり同様のノイズがある。「これはMD特有のノイズなのか」と諦めかけたが、しばらくして気が付いてみるとそのノイズは入らなくなっている。あれは一体何だったのだろう?
とりあえずDX局受信時のID確認の際に、またレポートを書くための番組録音の際に大活躍している。
※追記:今でも時々MD特有のデジタルノイズが発生することがあるが、そんなときはAC電源をはずし内蔵充電池で稼働させると発生しなくなる。最近気付いた。