今年一年を振り返って今一つだったかな?と一瞬思った。そう感じるのはDiaryにも書いたがPCの故障による停滞、及びそれに続いた東日本大震災という未曾有の災害で趣味を楽しむのが躊躇われる心境になり自粛したせいかも知れない。更に言えば受信環境の悪化により、「家で聞かない」ことがすっかり常態化してしまったという状況があるように思う。一応活動はしているのだが断続的なので、コンスタントに活動していないという気分になるのだ。BCL以外の活動も忙しく、時間を割くことが面倒になっていったという面もある。が、今改めてひとつひとつ丹念に振り返ってみると、そうでもなかったことに気が付く。それなりのことも出来ていたし、進歩もあったじゃないかと思うのである。

今年の重点課題として挙げたのは「近隣諸国中波DX」というものであった。「近隣諸国局はDXの邪魔」と考えるのではなく、これを楽しみの対象として見てみようというのが発想の原点であった。別に無理してそう思ったのではなく、この年齢になって自然とそう思えるようになったのである。結果的に言えば腰砕けであり、最初は活動したもののコンスタントな積み上げには程遠かった。しかしながら特に韓国局については多少なりとも研究し知識も多少ついたこと、また4月よりNHKの中国語講座を始め(藤原紀香目当て(笑))、ほんの少しではあるが中国語の知識をつけたことは、これから進化発展していく上での橋頭堡となってくれるであろう。

ベースである活動のペディは年間8回と若干寂しい。それでもそれなりに成果を出すことが出来た。特に1月の最後の茅ヶ崎柳島ペディでは、フィリピン局を40局近く釣り上げるなど過去最高の結果を残して有終の美を飾ることが出来た。本当の本当にもう一度と3月に企画した同ペディは震災の影響で残念ながら中止になり、一旦同キャンプ場はクローズしてしまった。しかし同地を神奈川県から茅ヶ崎市が引き継ぎ現在市営キャンプ場として再整備しているので、完成の暁に茅ヶ崎市民以外でもオープンに使えるならば、またこの地で宿泊ペディが出来そうだ。まあもっとも海岸線もあるので、最悪テントペディは出来る筈であるが。

もう一つの思い出に残るペディは夏至前のその茅ヶ崎海岸ペディ。夕刻に南太平洋方面を狙うこのペディで、今年はR.Kiribatiを釣り上げることが出来た。そんなに遠出しなくとも近場で相応のDX局が受信出来たことは意義があると思っており、来年もこの時期は集中して通って、TongaやFiji等のDX局を狙ってみたいと思っている。ペディ全体としては特にシーズンの2,3,10,11月に一度も行っておらず、やはり少しパワーダウンというか他の活動に力を削がれた感がある。

私のもう一つの中心活動であるDXerとの交流も、それなりに楽しんでいた。特に年末は九州のBちゃんが上京し、そのために接待行事を企画した。氏がコネクションを持つAFNスタジオ見学にも行ってみたかったが、これは先方都合で実現できなかった。折角遠方から来て貰うのだから、こちらでしか味わえないものを体験して頂こう・・・そう思って外房にお連れしてTP-DXの醍醐味を楽しんで頂けたことは私としても嬉しかった。感激して頂けるということは接待する側にとっても楽しい経験で、お仲間が上京したらこれは今後もやっていきたい。その他の交流飲み会は時折行って、適度な頻度で人と会ってBCL談義を交わしテンションを保った。

億劫がって海外DXerとはあまり交流出来なかった。せっかく2つのMLのメンバーでありながら勿体ない話である。来年こそはもう少し活発にやりたいものだ・・・そんなことを考えていたら、年末押し迫ってからフィンランドのMi氏よりメールを頂いた。非常に著名なDXerだが、NHKの受信音を聞いて確認してくれないかと頼まれたのである。大変光栄な話だし、これを機会にもう一度色々な方とコンタクトを取るつもりである。勿論日本人同士でもそうだが、一旦コンタクトが途切れるとなかなか改まってつながりにくいのが難しいところなので。

その他目立った活動では、今年もBCL書籍に寄稿させて頂いた。私如きがという思いもあるし、実際もっと優れたなスキル、深い知識をお持ちの方がおられる筈である。是非そうした方々こそ表に出てきて頂きたいし、そういう取り組みを拝読することで、我々もインスパイアされるのである。私の記事は自分的には昨年よりは納得することが出来た。受信ログを多数掲載し具体的な事例を提示し、より臨場感を表現できたのは良かったと思う。願わくばこうした取り組みに刺激されて、外に出ようという方が増えてくると面白いのだが・・・。

BCLブーム当時に発刊された書籍収集も楽しんだ。実物を入手するのは簡単ではないので、さしあたってどんな内容が書かれていたのかを知るために、色々図書館を巡って借りてはスキャンしてみた。もっともスキャンしただけで全然読んでいないが(笑)。年末現在読んでみたい全ての書籍にアプローチ出来ていないが、これらは私の調べた限りでは国立国会図書館でしか閲覧できないようである。ただこちらは個人貸出をしていないので、とりあえず閲覧のみに留まるが。

海外でのBCL活動は、今年は台湾で実践してみた。S師よりMobileALAを拝借し、また受信機はPERSEUSを持参し、何回か全帯域を記録してみた。FMも愛好者3号+ICレコーダーで数局記録してみた。ただ記録しただけで満足し、全然聞き返していないのが問題(笑)。いつかは聞くのか?やはり英語圏で、局訪問等何か燃えるものがないと現地BCLは今一つかも知れない。

さてそんな今年の総括を受けて、次に来年の展望・課題を記してみたい。大きく分けて四つあるようだ。

一つ目は今年一定の成果を挙げた「夏至前夕刻DX」を来年は集中して行うことである。今年も面白い局を受信することが出来たが、継続的に行うことでコンディションの良い日に遭遇し、かなりの珍局を釣り上げることを目指したい。

二つ目は電子工作再開である。視力の弱体化、根気の弱体化(笑)等で、すっかり半田ごてを握る機会が減ってしまった。しかしより良い受信環境を目指すに当たり、市販されていないアクセサリー類を自分で作って利用することが求められることがある。特に問題は自宅でのアンテナ系で、ALAに代わるアンテナ、そしてノイズフィルタを多用してノイズを軽減し、何とか自宅でも聞ける環境を再構築せねばならないと感じている。

三つ目は引き続いてのDXerとの交流だ。特に年末図らずも海外DXerから連絡を頂けてきっかけが出来たので、これを機に交流を進めたい。

四つ目は外国語の学習~来年は韓国語だ。中国語も始めたばかりで全然話せもしないのに新たに韓国語とは!と言われてしまうかも知れないが、これはこれで意義があると思っている。ある言語の体系を概念的に掴み、そして放送で使われる基本的な構文と単語を理解することが出来れば、DXer的には概ねOKなのではないかと思っている。そこでそれ以上の興味関心が湧くならば、更にその言語を極めて学習すれば良いのだから。こうして韓国語の大枠を掴み、近隣諸国DXにも改めて取り組んでみたいと思っている。

大したことない振り返りだが、こうしてまとめると成果と課題が明確になり、また頑張ろうという意欲が湧いてくるものである。これだけ課題を思いつくということは、未だこの趣味に楽しみを感じているということの表れに他ならない。忘れずに実行に移して、一年後満足感を持って総括したいと思うのが願いである。

(Dec.28,2011)