後半は復活後編である。復活当初のリグ選びは「復活」のところでも書いたので、簡単に触れるにとどめる。本当は新たにリグを買ってまで再開しようという気はなかった。しかしながらFRG-7がもはや不調であったので新しいリグをということになり、第一希望AR-7030だったのだが実機を見に行ったハムショップに偶然売られていた中古のNRD-535に決めた。5万円であった。買ったときは535に関する知識は何もなくスペックも全く知らなかったのだが、JRCのブランドと信用で衝動買いしてしまったのである。

535に関しては賛否両論があり評価も一定していないようである。まあ確かにベテランの方や通の方には欠点も目に付くのだろうが、私は復帰したばかりでありしかも昔は憧れたJRCであり、また(後日確認した)スペック上は過去憧れた機種を更に上回るものであったので、私自身は大満足だった。

しかしその後調べていくと535にはノーマルのものとDバージョンがあり、同期検波(ECSS)や帯域連続可変(BWC)はDバージョンにしかついていないことを知った。ただしそれぞれユニットを追加すればDバージョンにアップできることも知った。ボタンはついているのにそれが動かないというのは何とも嫌だったのでそれぞれの装着を決断した。そして同期検波というものの凄さを味わってみたかったので先ずはこちらを購入した。しかしこれに関しては思った程の成果はなく、投資効果が実感できぬままにいる。次にBWCだがこちらは既にメーカーにも在庫がなく流通在庫を探すしかないということが分かった。あまり期待しないままいたら偶然秋葉原の某ショップで在庫処分で売られていたのを発見し、こちらを購入した。これはもちろん連続的に帯域を変えられるので良いのだが、実際のところはそれほど使用するシーンは多くない。更に直近ではNarrowポジションを空けておくのも嫌だったので、1.8KHzのクリスタルフィルタも追加した。

535+T2FDでいろいろ聞いた。さすがに一流の受信機だけあってその重厚感、安定感、選択度、多信号特性など素晴らしいものであった。他のベテランDxerが聞いているようなところが復帰早々の自分にも聞こえ、シャックだけは第一人者に追いついたのだなと思った。自宅で聞けるような局は大体受信できた。

ということで一応は満足の535であったのだが、世間の評価通り「音質」「了解度」についてはイマイチだった。とにかく音がこもる。アナウンスが何を言っているのか聞き取れない。IDが取れない。これではヘビーなDXシーンに対応できない。そこでその部分についての評価が高い7030を購入することにした。(慣れるにしたがって音質もそれほど気にならなくはなり、引き続き7030と並んでメインとして働いている。)

7030も535を買ったハムショップで購入した。この機種については余りにも多くの方がコメントしているので、機能面については余り語る必要もないだろう。操作性についてはいろいろと云々されるところであるが、私自身はリモコンで操作するのは余り好きではない。でもそれほど違和感もなく使っているので、まあ良しとしよう。デザインに関しては、余りにも洗練されすぎていて受信機らしくないのが少々寂しい。535の方がゴージャスでまた見ていて楽しく、受信機らしくて好きである。7030は軽いしコンパクトなのは良い。しかし全体としてデザインは535の方が好きである。とは言え535が2台だと少々うるさいので、私にとっては7030と535という組み合わせはベストマッチなのかも知れない。

さてこの他復活後にはYUPITERUのMVT-7100も個人売買で購入した。U/VHFの航空無線を中心としたアクションバンドを聞くためである。海外短波放送の方が中心なのでこちらの方はアクティブではないが、Eスポ発生時には中国・韓国などのFMも聞こえ、思わぬ楽しみを味わった。

本来は一応ここでリグを打ち止める筈であったのだが、BCLがアクティブになるに連れリグ熱も段々エスカレートしつつある。所謂ノスタルジーから昔の夢を実現しようとし始めたのである。そして先ずはクーガー2200をオークションで買った。それに近々に、デジタル周波数表示のBCLラジオを入手することを検討している。

それと旅行と移動運用のために、ICF-2010を現在米UniversalRadioに発注中である(おいおい、まだ買うのかよ!)。非常に優れたポータブル機であるということが一番の理由だが、同時に85年に発売された機種がまだ新品で入手できるということも、上記同様やはりノスタルジー的な心情が働いていることは間違いない。

いずれにしても人間の欲望にはきりがなく、これでいいということはありえない。従って自らここでピリオドを打とうと思うし、もう買わない(と思う!)。

(Dec.20,2001)